カタクリ

カタクリ

所在地
いの町越裏門
所有者
岡林 弘ほか2名
指定日
昭和57(1982)年8月1日

山野に群落をつくって生えるユリ科の多年草。本川と檮原町に自生する早春に咲く稀少植物。

二枚の葉を地上すれすれに対生し、上面は緑白で紅紫色の斑点があり、裏面は光沢のある紫褐色。早春に葉の間から花茎を5.0~10.0㎝のばし、淡紅紫の六弁花を斜め下向きにつけます。花びらは咲くとすぐ上のほうへ反転するのが特徴です。地中にある鱗茎からは良質のでんぷんが採取できます。これがほんとうのカタクリ粉で、現在流通しているカタクリ粉はジャガイモから作られています。

高知県下で一般にカタクリといっているのは、同じユリ科のウバユリのことで、これは背も高く真夏にテッポウユリのような白い花をつけます。

「物部の八十娘子らが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花」(万葉集 十九巻 大伴家持)
天平のころは、カタカゴと呼んでおり、カタクリの花で春を描写している。(カタカゴとは、傾いた籠状の花の意味)

北海道から九州まで見られるが、関東地方以北に多くとくに四国ではまれで、高知県では非常に珍しい植物です。昔は、本川村の各地でみられたようですが、植林などがすすみ、現在は越裏門と中野川の某所にしか自生せず稀少価値の高いものです。


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