いの町新型コロナウイルス感染症等への対応を踏まえた避難所運営方針
令和2 年7月20日
1. 目的
新型コロナウイルスへの感染拡大が懸念される状況の中で、災害が発生し避難所が開設される場合、手洗いやマスクの着用、咳エチケット等の基本的な感染症対策を行うとともに、人が多く集まって過ごすような空間(密閉空間・密集場所・密接場所)を回避するなどの感染症対策に万全を期することが求められる。災害発生時に避難を要する町民が安心して避難所を利用することが出来るように、事前に避難所運営方針を定め対応策を検討していくことを目的とする。
2. 対応策を検討する上での基本的な考え方
各避難所の運営等については、当方針やマニュアル作成済の避難所については避難所運営マニュアルによるところとするが、記載のない具体的な感染症対応事項については、国の通知等を参考に各避難所に応じた感染症への対応を行うこととする。また、国の指針等状況に応じて、適宜方針の見直しを行う。
3.具体的な対応策(平常時)
(1)平常時からの準備
①避難所の過密状態の防止
- 指定避難所の中でも地区集会所等を開設するなど、出来る限り多くの避難所を確保する。
②避難所のレイアウトの検討
- 避難所の居住スペースについて、可能な範囲でスペースを確保するとともに、避難者同士が相対で向き合うことが無いように配慮する。
- 他人に飛沫が飛ばないように避難者同士(家族間等)の間隔を1m以上確保する。
- 発熱、咳等の症状が出た者の専用のスペースやトイレは、一般の避難者とは生活の場や移動の場所が交わらないようにする。
③感染症予防物資等の整備
- 避難所に備えるべき物資等をリスト化し、感染症拡大防止に有効な物資等を計画的に整備する。
- 事前に準備しておくことが適当な物資・資材等
ア)感染対策用:マスク、手指用消毒液、ペーパータオル、ハンドソープなど
イ)健康管理用:非接触型体温計、パルスオキシメーターなど
ウ)職員防護用:使い捨て手袋、使い捨てガウン、フェイスシールドなど
エ)その他資材:間仕切り、プライベートテント、段ボールベッドなど
4.具体的な対応策(災害時)
(1)避難者の受入
①避難者の健康状態の確認
- 避難所受付での体調確認(発熱、咳等)や検温を行うとともに、適宜体調に留意していただくなど、避難者の健康状態の確認に努め、発熱者等は専用のスペースに誘導する。また、入所後は「避難者健康状態チェックシート」(別紙6)等を使用し、継続して避難者の健康状態の確認を行う。
②発熱、咳等の症状のある方については専用スペースを確保
- 発熱、咳等の症状のある方については、専用のスペースを確保する。専用スペースやトイレは、一般の避難者とはゾーン、動線を区分する。
③濃厚接触者及び健康観察者の避難
- 新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者及び健康観察者の避難については、受入場所を決定した上で適切に対応する。
(2)避難所の運営
①十分なスペースの確保
- 避難所では、3密(密閉・密集・密接)を避けることができるスペースを確保する。(各世帯1m以上間隔を空ける)
- 多くの方が避難しスペースの確保が困難となる場合には、他の部屋や別の避難所への誘導を行う。
②適切な換気の実施
- 気温などに配慮しながら機械換気や窓の開閉により、適切な換気を行う。(目安として1時間に1 回10~15分の換気 )
③手洗い、咳エチケット等の基本的な対策の徹底
- 避難者及び避難所対応職員等においては、手指消毒や石鹸での手洗いマスクの着用や咳エチケット等を行い基本的な感染予防対策の徹底に努める。
④避難所の衛生環境の確保
- 避難所内の物品や資材(机、いす等)は定期的に清掃するなど、避難所の衛生環境の確保に努める。特にトイレやドアノブ、電源スイッチや蛇口など、人が触れることが多い場所については、重点的に清掃と消毒を行う。
- 各世帯で出るごみは、世帯ごとにごみ袋に入れて口を縛り、避難所対応職員等の指示に従って適切に処分する。ごみ収集の際は、手袋、マスク、フェイスシールド、ガウンなどを着用する。
⑤避難者の健康管理
- 避難者の感染症予防や基礎疾患の悪化予防を図るための体制を整備する。
- 新型コロナウイルス感染症の疑いがある者が発生した場合に備え、管轄の保健所と連絡体制を整備する。また、当該避難者に係る隔離方法や対応を行う職員等の防護体制のほか、その他避難者に係る対応方法を管轄の保健所等と協議する。
⑥避難所対応職員等の安全確保
- マスク、消毒液等の支給に加え、ゴム手袋、フェイスシールド、感染防護服を着用し、受付業務にあたる。
- 避難所運営業務に従事する際及び勤務交代する際は、体調確認や検温を実施する。
- 感染疑いのある避難者へ食料等を配給する際は、直接手渡しせず配膳場所を設ける。
(3)感染者等の対応
①感染が疑われる避難者への対応
- 感染が疑われる者が避難してきた場合や避難者に発熱、咳等の症状が出た場合には、対象者を隔離したうえで、避難所等から管轄の保健所に連絡し、検査、入院の調整を行う。
- やむを得ず保健所との調整中、一時的に避難所内に感染が疑われる者を待機させる場合には、隔離した避難者の見守り、清掃の実施、食事の供給等を行うための職員等を配置する。
②避難者が新型コロナウイルス感染症を発症した場合の対応
- 避難者が新型コロナウイルス感染症を発症したことを確認した場合、当該避難者や避難所対応職員等は、保健所の指示に従って、適切な対応を取るとともに、他の避難者への感染を防ぐ。
- 感染者が避難所を退所した後は、避難していたスペース、利用通路、トイレなどの消毒と喚起を十分に行う。
③発熱、咳等のある者や濃厚接触者のための専用スペースの確保
- 発熱等の症状がある者及び感染が確認されている者の濃厚接触者のために、施設の規模に応じて専用のスペースとトイレを確保する。
- 専用スペース内は、パーテーション等で区切り、個室に準じた環境とする。飛沫感染を防ぐため、少なくとも座位で口元より高いパーテーションとし、プライバシーを確保する高さとする。
- 専用スペースを確保できない場合は、可能な範囲でパーテーション等を使用しスペースを分割するなど工夫する。
④軽症者等への対応
- 自宅療養等を行っている新型コロナウイルス感染症の軽症者等は、管轄する保健所の指示により、比較的規模が大きな避難所や宿泊療養施設等に避難する。
5.具体的な対応策(啓発活動)
(1)町民等への周知・啓発
①町民への周知
- 避難所への移動や避難所における感染拡大リスクを下げるため、町民一人一人が自らの体調チェックや感染防止のエチケットなどの基本的な感染症対策を図ることを周知する。
- マスク、アルコール消毒液、体温計等については、避難所での備えに限りがあるため、避難する方での事前の備えについても周知する。
- 避難所が過密状態になることを避けるため、可能な場合は安全の確保が見込まれる親せきや友人の家へ避難する等の分散避難についての周知を図る。また、これらの事項を、町広報誌やホームページ等を利用し、わかり易い広報に努める。
②自主防災組織への周知
- 地域の集会所など避難所運営を行う際の、手洗い、咳エチケット及び3密回避等基本的な感染症対策や避難者対応、スペース確保等について周知する。
- 避難所運営訓練等の活動が安全に実施できるよう、マスクなど必要な消耗品等の備えについて周知する。
6.参考資料の活用
感染症対策にかかる対応事例は、国の通知等多くの資料が示されていることから、当方針や避難所運営マニュアルに記載のない事項については参考資料を活用し、各避難所に応じた感染症への対応を行うこととしている。
そのため、当方針に関連する啓発資料等の参考資料(一部)を別添に示すこととする。
- (添付資料)「避難所における新型コロナウイルス感染症への対応に関するQ&A(第2版)につい
て」から引用
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