土師器及び鉄斧

土師器はじき及び鉄斧てっぷ



所在地
いの町神谷
所有者
(土師器)森 忠望・(鉄斧)滝沢 章
員数
各1
指定日
昭和49(1974)年2月25日

土師器

昭和17(1942)年奥田川の改修工事中に、八田字岩滝ノ鼻地点の水田面より、地下約3mのところから発見されました。高さ約16㎝、外径15.4㎝、口径約9.6㎝、底部は丸底で、やや肩のはった球形の胴で、口頸は外に開いて立ち上がり4.5㎝のやや小形の壺型土器です。胎土には砂粒をまばらにふくみ良好で、全体に明るい褐色で、焼成も比較的良好です。肩部と頸部の境目に、極く浅い沈線が三分の一周ほど認められますが、そのほかは無文です。出土の際、口縁部約三分の一が破損しましたが、石膏にて復元されています。

土師式土器の第Ⅱ様式(5世紀)で、高知県における土師器編年の示標的土器として考古学会にも報告されています。

鉄斧

前記の土師器と同じく、昭和17年、奥田川の改修工事中に発見されました。

長さ12.7㎝、最大幅は刃部で5.9㎝、やや広がった肉厚の両刃で、木柄装着部は鉄板を内側に折り曲げて楕円形袋状の銎とし、銎部と刃部との境に段がつけられています。

刃部には刃線と直角な打撃による刃のまくれがあり、相当の使用度が推察されます。又、銎内部には、着装されていた柄の木目らしいものが錆に圧痕として認められています。

本鉄斧は、前記土師器と相伴出することにより、5世紀代の生活文化を知るうえに大切な資料です。


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