文化財の保存技術規矩術(近世規矩)上田虎介
国選定文化財 1件-文化財の保存技術規矩術(近世規矩)上田虎介(昭和55-59年)
国選定保存技術
規矩術(近世規矩)選定保存技術保持者 上田虎介
指定日:昭和55(1980)年4月21日 解除日:昭和59(1984)年1月3日
「規矩術」とは、一般に木造建築の構成、接続部材の切り欠き(仕(し)口(ぐち)、継手(つぎて))や屋根の構成などの実形や製図、工作のことです。中世の末一つの方術としてほぼ大成し、近世に至って理論づけられ、工匠にとっては必須の知識、技術として今日に受け継がれてきたもので、わが国の木造建築の設計、施工に欠くことのできないものとされています。
文部大臣は文化財の保存のために欠くことのできない伝統的な技術または技能で保存の措置を講ずる必要のあるものとして、文化財保護法によりこの規矩術を選定し、その保存技術の保持者に伊野町本町の上田虎介さんが認定されました。
上田虎介さんは昭和7(1932)年、重要文化財荒城神社本殿の保存修理工事に従事して以来、今日まで76棟に及ぶ国宝、重要文化財建造物の保存修理工事を監督、その技倆(ぎりょう)を発揮するかたわら規矩術の教育、指導を行い修理技術者育成にも努力されています。
(「伊野町の文化財と旧跡」昭和58年3月31日発行から)
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