三社神社の木版彩画懸仏
三社神社の木版彩画懸仏
「南無大明神 貞和五年丑己十二月敬白」
- 所在地
- いの町中追字宮ノ首
- 所有者
- 三社神社
- 員数
- 1点
- 指定日
- 平成8(1996)年4月30日
木版彩画懸仏は直径28.0㎝、厚さ約1.0㎝の円形の1枚の杉板に一体の如来像が細い黒線で描かれていて、全国的にも珍しいものです。
中追小学校の谷をさらに上流へ1㎞くらいさかのぼると、土居部落に着きます。三社神社は土居部落の氏神です。
この御正体は懸仏(鎌倉、室町時代、銅、鉄の円盤に仏像を鋳出して壁などへかけたもの)の一部で鏡台の台板のうち木心のみが残ったものです。木心は杉板で造られており、直径28.0㎝であったものの下部が一部欠損しています。
そして、両面をかんなで削った痕が残っており、裏面に右のように墨で書かれてあります。貞和五年といえば室町時代初期(1349年)になります。なお貞和五年といいますと、南北朝の北朝の年号で、この年に神社におさめられたのでしょう。
南無大明神の墨書から神仏混合の姿が伺えます。木心の表には銅製の台板をかぶせ覆輪がめぐらされていたと推定されます。上部の2個の穴は御正体をかける金具でしたでしょう。時代的にも文化的にも珍しい文化遺産です。
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