土佐和紙「土佐典具帖紙」
土佐和紙「土佐典具帖紙」
- 技術保持者
- 土佐和紙技術保存会
- 指定日
- 昭和55(1980)年5月13日
土佐典具帖紙は最初享保年間、岐阜県で抄造された楮薄紙で、明治13(1880)年、吉井源太翁によって土佐に技術が移入されてきました。
そして仁淀川流域の厳選された良質の楮原料と、入念な製紙工程を経てここに独特の土佐典具帖紙がつくられ、世界各国の注目を浴びるに至りました。
抄紙は高度の技術を要し、漉き手が力いっぱい簀(す)を揺り動かして楮の長い繊維を薄くからみ合わせます。この激しい動作の中に、一枚の紙のどの部分も均等の薄さで、どの紙をとっても厚さが等しい、という微妙な勘が秘められています。こうして“けばたたず”折りたたんでも切れない強い腰、紙に細かい気孔があって薬液が内部まで浸透してから破れず丈夫であることなどが特徴です。
典具帖紙の用途は、高級タイプ原紙が大半でしたが、現在は画家の下図のすき写し、漆芸や金工など工芸作家の創作あるいは、絵画等の古文化財修理などには不可欠であります。
全盛期には町内で約200の業者があったが現在は数名の者で技術を保持されるのみとなりました。
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