池ノ内の逆修無縫塔

池ノ内いけのうち逆修無縫塔ぎゃくしゅうむほうとう


所在地
いの町池の内
所有者
萩野兎喜治
指定日
平成10年4月1日

砂岩製の無縫塔。総高2.32m。

上部の塔身1.62m、塔身下部の請花部の高さ38cm、/その下部の基礎の部分の高さ30cm。

 

萩野神社の境内に一基の無縫塔(むほうとう)(卵塔)があります。無縫塔は俗にその形から卵塔とも呼ばれています。鎌倉時代初期、宗に留学した我が国の禅僧たちによって伝来された石塔です。

無縫塔の名称は塔身の先端が扁円形に造られ、角が無いので縫い目がないとみてつけられたもので、さらに、形が卵に似ているので俗に卵塔といいます。また、無縫塔には下からみて、基礎・竿・中台・請花・塔身の五部からなる重制無縫塔と、基礎・請花・塔身の三部からなる単制無縫塔の二型式からなりますが、池の内の無縫塔は後者の単制無縫塔になります。

 

この単制無縫塔は、鎌倉時代には存在せず、南北朝時代に造り初め、近世-江戸時代になってから、その造立が特に多い。もちろん、池の内のものはその銘文から推しても、その長身の塔身型式からしても江戸時代前期のものです。

発起人である萩野久左衛門は84歳の時に逆修塔として建立しています。戒名記入部を持つ無縫逆修塔は県内唯一の例で、その点でも文化財として貴重であります。

(伊野町池ノ内の無縫塔 岡本健児著より抜粋)


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