提瓶(さげべ)

提瓶ていへい(さげべ)



所在地
いの町八田観音堂東方(いの小学校)
所有者
いの町
員数
各1
指定日
昭和54(1979)年6月15日

提瓶は一名“さげべ”ともいいます。古代社会の飲みもの入れで現代風に言いますと、“水筒”を思わせるものです。

八田で発見された“提瓶”は7世紀の前半、大体1380年位以前のもので我国の歴史では奈良時代の少し以前になりましょう。

この提瓶は須恵器の一種であり、現在の水筒をもうひとまわり、平たくしたようなものです。

明治20(1887)年、今から120年以上前に地元の人が八田の観音堂、東方で発見されたもので、土器の完成品であります。高さ24.7㎝、幅20㎝、厚さ14.2㎝、口径最大55.6㎜、重さ1.685g、満杯時の容量2.600 ですので、昔流に言えば約一升五合入りの器です。土質は上等のものではありませんが、焼き方は良好です、一部に自然釉が見られます。容器は技巧的に作られており、胴は丸くふくらみ、平らな面の部分にはヘラによる整形の跡が見られます。提瓶の最も特徴とされる肩部の提柄は鈎状で、器体に対してはやや矮少な感じです。はじめは両肩共(2個)完全であったとのことですが、現在は一方が欠失しています。

提瓶は時々完成品の出土が見られる土器でありますが、いの町においては数少ない完全な形をした出土品として、貴重な考古資料です。


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